top of page
HHタイトル.png
HH-2.jpg

  polly - EP『Heavenly Heavenly』


1. MORNINGRISE

2. ごめんね

3. Snow/Sunest

4. K

5. Kikoeru

 

14HS-0004  14HOUSE.
CD¥1,980(ta
x in)
2023.05.10(wed)Release

Release
polly_K_ジャケ写.jpeg

K

2023.04.26(wed)​先行配信リリース

polly_ごめんね_aw.jpg

ごめんね

2023.04.05(wed)​先行配信リリース

polly_Kikoeru_aw.JPEG

Kikoeru

2023.03.15(wed)​先行配信リリース

Movie

Movie

MORNINGRISE
Official Music Video

めんね
Official Music Video

Snow/Sunset
Official Lyric Video

Kikoeru

Official Music Video

Liner Notes

Liner Notes

宇都宮で結成された3人組polly。フロントマン越雲龍馬(Vo、Gt)によるフェミニンなハイトーンボイスと、シューゲイザーやドリームポップ、オルタナティブロックなどに影響を受けたノイジーかつ耽美的なバンドサウンドを展開し、着実に話題を集めていた彼らが昨年メンバーチェンジを経て初めて作り上げたのが、今あなたが手にしている5曲入りEP『Heavenly Heavenly』である。

 

昨年2月にリリースされた、彼らの通算3枚目となるフルアルバム『Pray Pray Pray』は、全ての楽曲を手がける越雲が、インターネット上で見つけたアイスランドの「百夜」の風景写真にインスパイアされたところから制作がスタートしていた。つまりは視覚的なインスピレーションを、サウンドに落とし込むことが曲作りの最初のモチベーションとなっていたわけだが、今作は彼がキアヌ・リーヴスとシャーリーズ・セロンによる恋愛映画『スウィート・ノベンバー』(2001年公開)を観たことをきっかけに、制作がスムーズに進められていったという。

 

「それまでなかなか(アルバムの)テーマが決まらず苦労していたのですが、『別れ』にもその始まりや終わり、もしくはその先のストーリーがあるということ、今の自分にとって一番素直に書けるのが『別れ』についてなのだなということを、この映画を観て改めて気づかされたんです。」

 

本稿を執筆する上で行なった越雲へのメールインタビューで、彼はそのように答えてくれた(以下、括弧内の発言は全て越雲によるもの)。

 

冒頭で述べたように、pollyは昨年4月14日にメンバー2人が脱退し、今の3人体制になっている。新たに加入した志水美日(Key、Cho)も、自身が所属していたバンドLILI LIMITの解散と、MO MOMAからの脱退を直前に経験している。また、新体制pollyのライブをサポートし、今作のレコーディングにも全面的に参加したカミヤマリョウタツ(Ba)も、昨年7月にPELICAN FANCLUBから脱退。つまり、今のpollyを形成しているメンバーそれぞれが、ほぼ同じタイミングでバンドにおける「別れ」を経てここにいるのだ。

 

「バンドメンバーとの別れのあと、ぼくは前を見ることだけを考えることました。でも意識的にそうすると、ふとしたときに『過去』や『後悔』を色濃く見てしまうんです。それって誰かとの死別や恋愛における別離と共通した感覚ですし、まだ自分は別れた後にしか気づくことできないのか……と思い知らされたんですよね」

 

前作『Pray Pray Pray』同様、今作も「別れと再会」をテーマにしているが、前作で描いていたものが「物理的にもう会えない者への祈り」だったのに対し、今作は「別れの後の自分のリアルタイムな想い」を描いているのは、越雲のそうした心の動きが反映されているからだろう。

 

Ivy to Fraudulent Gameの福島由也を再びエンジニアに迎え、カミヤマとともに新体制pollyとして初めてスタジオ入りした3人。基本的には前作の延長線上にあるサウンドだが、志水の加入によりピアノのフレーズは立体感を増し、打鍵のニュアンスにも繊細さが加わった。ギターは今作でもボウイング奏法を多用したほか、多数のアンプを同時に鳴らすといった実験的なレコーディングも行なわれている。アイルランドのバンド、My Bloody Valentine(以下、MBV)に影響を受けたそのサウンドメイクは前作収録の“Laugher”でも実践済みだが、今作ではそれぞれのアンプに対するマイキングにもこだわり、サウンドデザインが崩れないよう心がけたという。

 

MBVやRide、Slowdiveら「シューゲイザー」と呼ばれたバンドからの影響をダイレクトに受けた1stアルバム『Clean Clean Clean』(2018年)をリリース後、同郷の先輩バンド、THE NOVEMBERSの小林祐介をプロデューサーに迎えた3rdミニアルバム『FLOWERS』ではポストパンクに接近しつつ、かねてから評価の高かったメロディメイカーとしての才能を開花させた越雲。Official髭男dismやPerfumeといった、いわゆるJ-Popの楽曲が多用しているコード進行に触発されつつ、メロディには日本人の琴線を揺さぶるオリエンタルな要素を取り込んでいく。そうした手法を前作で確立した彼は、今作においてそれをさらに洗練させている。

 

「これまでは手癖的なコード進行を自分の強みだと思って多用していたのですが、今作はそれを用いないことをテーマに作曲をしました」

 

冒頭曲“MORNINGRISE”は、Chapterhouseの“Pearl”を彷彿とさせるような、清々しく高揚感あふれるメロディとサウンドが印象的。〈別れのその先に / 始まりの音がする / 確かなものだけを抱えて僕らは行く〉という歌詞は、バンドとしての新たなる決意を感じさせるものだ。続く「ごめんね」は、本人いわく「メッセージ性にウェイトを置かず、ただ自分の手記として残したい気持ちを赤裸々に書いた」楽曲。まるでアイスランドの凍てついた景色を彷彿とさせるようなギターのウォール・オブ・サウンドが、極めてパーソナルな言葉の一つひとつを優しく包み込んでいく。

 

「相手にとって、自分は何なのだろう? と考えた時に答えは出ず、ただただ〈ほんとごめんね〉という気持ちになったときにこの曲を書きました」

 

また、越雲の美しく澄んだ歌声が際立つ“Snow/Sunset”は、オリエンタルなメロディやサビにおける唐突な転調など、今作の中でもっとも「pollyらしい」曲といえよう。ちなみに最後のサビ〜エンディングで聞こえるインダストリアルな16ビートの金属音は、ハイハットを無造作に叩いてディレイで飛ばしたものだという。

 

“怯えてしまうよ / 別れをふと思うと。”と、いつか必ず別れなければならない「母」に向け越雲が初めて想いを綴った「K」を経て、「Kikoeru」で本作は幕を閉じる。越雲と志水の声が、立体的に交差しながら紡ぐメロディラインはどこまでも美しく、過去、現在、そして未来の「別れ」に思いを馳せつつ、それでも前に進んでいく意思を表明する歌詞に心震わされる。この曲を越雲が、「自分の求めているバンド像に近づけたなと感じる」のも頷ける。

 

「今作を作ったことが、もっと沢山のことに触れて、広く深い人間になりたいと思えるきっかけになりました。バンドのボーカルとしてもそうなりたいです」と、今の心境を語ってくれた越雲。

 

「喩えるなら大仏のような、ただ存在しそこに行くだけで救われる、そんな人間になりたいです」

 

初めて筆者が出会ったときに感じた、まるで手負いの獣のように神経を張り巡らせていたかつての越雲龍馬は、もうここにはいない。たくさんの別れや絶望、挫折を経て、ひと回りもふた回りも成長した彼が、信頼すべき仲間たちとどのような成長を辿っていくのか、今後も見守っていきたい。

 

2023年3月

黒田隆憲(SHOEGAZER DISC GUIDE)

Media

Media

OTOTOY

至高の新体制を迎えたバンド、polly ──限りなく一致した美学が成す、叙情的なアンサンブル

取材・文:小野島大 撮影:稲垣ルリコ

polly1.jpg

SENSA

バンドのオリジナリティや美学を再定義する新体制の初作──polly『Heavenly Heavenly』インタビュー

取材・文:金子厚武 撮影:稲垣ルリコ

_86A0161.jpg

BELONG Media

polly越雲龍馬、新作『Heavenly Heavenly』について語るRead more

Uta-Net

越雲龍馬エッセ

【第1弾】これまでリリースしてきた曲を聴きハッとした。Read more

【第2弾】この曲が今のpollyの答えであり未来であると。Read more

【最終回】少しだけ、愛情について理解できるようになった気がします。Read more

Live

  polly Release Tour「Heavenly Heavenly」

2023.05.18(thu) 名古屋・ell.FITSALL

guest:paionia / さよならポエジー

2023.05.19(fri) 大阪・Shangri-La

guest:mol-74

2023.06.07(wed) 東京・WWW X

guest:KOTORI

 

OPEN18:30/START19:00 前売¥3,800(drink別)

■Tickets:ぴあ  ローチケ  e+

_86A0136.JPG

Live Report

 

polly、新体制初のツアーで与えたインパクトの強さ

Release Tour「Heavenly Heavenly」
2023.05.19大阪 Shangri-La 公演をレポート

bottom of page