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polly 越雲龍馬 × EASTOKLAB 日置逸人

スプリットツアー "Twin."に向けての初対談。

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polly 越雲龍馬
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EASTOKLAB 日置逸人
2021年10月から開催されるpolly&EASTOKLABスプリットツアー“Twin.”に先駆け
フロントマンである polly越雲龍馬(Vo,Gt,Pg)と EASTOKLAB日置逸人(Vo,Syn,Gt)が
二人の出会いからツアーへの思い、リリースされるスプリット盤について語り尽くす。

──元々仲の良いふたりですが、最近連絡は取ってましたか?

越雲:頻繁に取ってるよね。

日置:取ってます。それこそツアーの打ち合わせで連絡するんですけど、最初の10分ぐらいちゃんと打ち合わせして、途中からはもう、互いの近況報告になっちゃって(笑)。


越雲:このスプリットも長電話してる時に決まったんだよね。

日置:そう!

越雲:そうそう。「スプリットやろうよ!」みたいになって、「いいですね!」みたいな感でしたね。


──それはどちらから発信したんですか?

越雲:僕ですね。EASTOKLABとは、どちらかのバンドが終わらない限り、何か一緒にずっとやっていけるなと思って。その1発目を近々やりたいねって。

日置:そうですね。pollyは音楽的な部分とかが全部共鳴できる存在だし、刺激もあって。今まで、僕らのツアーに出てもらう、pollyのツアーに呼んでもらうってのはあったんですけど、スプリットでお互い同じだけの責任を持ってやるっていうのがすごくいいなと思って。なのですぐOKしました。


──pollyとEASTOKLABの一番最初の出会いっていつでしたっけ?

越雲:2018年の僕らのツアーだね。「Clean Clean Clean」のツアー。

──The Skateboard Kidsの時?

越雲:いや、出てもらった時はEASTOKLABに改名してすぐだったかな。

日置:確か2018年の5月にオファーをもらって、告知のタイミングはまだThe Skateboard Kidsで告知してて。それからライブが近くなったところで改名したんで、「なんかちょっとややこしい感じになってすみません!」って連絡したのを覚えてます。

越雲:ややこしかったって。ポスターとかThe Skateboard Kidsになってて(笑)。


──お互いの第一印象ってどんな感じでした?

日置:いやぁ。なんか第一印象っていうよりも、まずその前にいろいろ入ってきてる情報みたいなのがあるじゃないですか。その当時、対バンする前に音源聴いて、『Clean Clean Clean』も聴いて。この時のインタビューとかを読む限りは、尖ってるしかなり怖いなと思って(笑)。けど、多分僕らのことを好きで呼んでくれた訳なんで、大丈夫かなって感じでしたけど……ちょっとビビってましたね。だけど会って話してみたら、怖くないって言ったらアレですけど、なんだろうな、話しやすいとも違うんですけど……しゃべらなくても通じる何かがあるような気がしたというか。音楽的なシンパシーも含めて、多分周りに思ってる事とか、自分たちの音楽に持っているプライドみたいなものとかも少し近いような感じがしたんで、第一印象的には「絶対仲良くなれる」って思いました。

越雲:僕の第一印象は、ボーカルの人思ったよりちっちゃいって感じ(笑)。


──はははは!

越雲:アー写の感じとかMVも観て、……The Skateboard Kidsの時って今よりもちょっとこう……俗に言う音楽をファッションでやってるような見た目かな、みたいに思ってたのよ。

日置:ははは!

越雲:だけど全然そんなことなかったから、そのアンバランスさと、日置がちょっと可愛い感じで良かったなっていう(笑)。あとはメンバー4人が話してるところを見て、仲がいいんだなとか。日置と全く一緒で、「あ、仲良くなれそうだな」っていう印象。だからツアーに誘って唯一自分から話しかけたのってEASTOKLABかな。

日置:ふうーん。


──二人の関係性をもうちょっと掘り下げて聞きたいんですけど。

越雲:はははは!ムズいですよ、改めて話すの。

日置:あれですね、音楽抜きにしても、結構友達みたいな感覚が僕はあって。


──うん。

日置:僕年下ですけど、いじらせてもらったりとか、去年も誕生日プレゼントをふざけて送ったんですよ。「ヨロドウ」って書いた100均でその場で作った帽子みたいなものを。

──「ヨロドウ」?

日置:「ヨロドウ」は……越雲くんがライブの時に「よろしくどうぞ」って言うのが、ツアーを一緒に何日も回ってるうちにだんだん面白くなってきちゃって(笑)。

越雲:はははは!

日置:メンバーの誰かが「よろしくどうぞ」って真似しだして、そういうムーブメントが起きたんですよ(笑)。

越雲:EASTOKLABのせいで「ヨロドウ」がでたじゃない。

日置:でた(笑)。

越雲:それで僕がライブとかで「よろしくどうぞ」って言うと、笑いが起きるようになってきた時があったのよ。「いや、ここふざけてないし」みたいな。

日置:はははは!

越雲:その時EASTOKLABが頭に浮かんだ。多分あいつらのせいだって(笑)。

日置:そういうのを言っても、返しとかがめっちゃかわいいんですよね。「やめろって。」とか言ってるけど、なんかニヤニヤしてる。

越雲:はははは!

日置:やめろよって言いながらやっぱりニヤニヤしてる越雲くんってなんか、僕らにもいじってくるんですけど、実は自分もそうやっていじられるの嫌じゃないんだなって。


──そうなの?(笑)

日置:そこめっちゃ親近感ポイントでしたね。でもいちばん仲良くなった切っ掛けはアレですね、越雲くんの家に2泊ぐらいしたんですよ。

越雲:そう。「FLOWERS」のツアーでEASTOKLABが出てくれて、千葉LOOKに出てもらった後に。

日置:二日後ぐらいに東京でライブがあって。

越雲:だから、日置もう泊まっていいよって。

日置:いや、泊まっていいよじゃなくって、強制的に送還されたんです。

越雲:はははは!

日置:強制送還されて、でなんか、お前ここで寝ろみたいな感じで(笑)。でも楽しかったしすごく覚えてるんですけど、その日は朝方帰ったんで越雲くんの部屋で寝て、次の日昼ぐらいに起きて、ずっとこう家の周りを散歩しながら公園でぼーっとして。特にそんな喋るとかもなく。

越雲:昼から飲みながら「いい天気だねぇ」みたいな本当にしょうもない会話をしながら、日置がいきなり「なんか俺らってダチじゃないっすか?」みたいな。

日置:はははは!

越雲:「これって正真正銘のダチっすよね!」とか言って、カワイイなって思ったな。

日置:特に音楽の話とかするでもなく、「天気いいね」とか、「ここよく来るんだよね」とか、内容の無い話をして。最近はバンドで繋がって仲良くなるっとかってだんだん少なくなってて、音楽関係なくても、ただ二人で公園でぼーっとして、「いいとこっすね」みたいな感じで飯食ったりとかして、歩いて、全然楽しかったんで、これはもう完全に友達だと思って。

越雲:ははは!

日置:覚えてますよね?僕が越雲くんの後ろ歩いてて、公園出て道歩いてて電車が通るの二人でぼーっと見て。もう何かいいなと思って「友達ですよね。」「これ友達っすよね。」って言ったら、越雲くんがなんか、「んああぁ?」みたいな感じで(笑)。

越雲:はははは!いやまあ。友達、友達ですよ。

日置:そのあと僕、その日の夜に「もう行くわ」って言ったんですけど、帰っちゃダメってなって。2泊しました(笑)。

越雲:2日目の夜になんか、日置が「俺、越雲くんに言いたいことあるんですよ」ってなって。「歌い方が全然違う」みたいな。「pollyのこの曲好きなんですけど、ここの歌い方が全然おかしい!」みたいな。

日置:やばい(笑)。

越雲:曲聴きながら日置が「これが正解です」って歌い始めたの。でも完全に日置になっちゃうのよそれ(笑)。日置のクセでさ、「ウィ」みたいのあるじゃん。


──ある。

越雲:そういう、余計な文字を入れたがるじゃん、日置って(笑)。

日置:はははは!

越雲:それがあって、日置面白いなって。

日置:酔っ払ってたんですね。

越雲:酔っぱらってたね。なんか、ボロクソ言われたもん(笑)。

日置:はははは!


──日置くんにいじられるのは大丈夫なの?

越雲:大丈夫ですよ。それ以上にEASTOKLABの皆のこといじってるし。

──うんうん。

越雲:あと個人的に、EASTOKLABドラムの田保と、うちのドラムの栄紀のヤバイやつ対談をどこかでできたらいいなって思う。

日置:はははは!


──田保くんも結構ヤバイ感ありますよね。

日置:結構やばいですよね。僕もう7~8年間バンド一緒にやってますけど、まだ田保くんの感情が動いた瞬を見たことないです。

越雲:はははは!

日置:ずっと平常心。楽しいは全然見ますけど、嬉しいとか悲しいとかホント見たことないです。このツアーで見れたらいいな(笑)。

越雲:うん。そうですね(笑)。

polly & EASTOKLAB Split "Twin." Teaser

──今回のスプリットで新曲を1曲ずつ入れていますが、まず自分たちの曲に対しての思い入れと、お互いの曲に対しての思いを聞きたいのですが。

越雲:「Light us」は、実はスプリットに入れようと思って作ったわけじゃなくて。アルバム制作をしている中でこれが合うなっていうので選びました。思い入れは何だろうな……。リリックの面に関して話すのはちょっと野暮だなと思うので話さないけど、サウンドの面に関してはボーイング奏法を入れたり、ドラムにレガードセクションを入れたりして新しい手法を使ってるから、新たな試みのある曲だなと思いつつ、ただメロディーは良くなくちゃいけないからそこもちゃんとクリアできたし、スケール感が広い曲にもなったかなっていう印象。とても気に入ってます。

──日置くんは「Light us」を聴いてどう思いました?

日置:僕は「Light us」聴いた時はヤバ!って思って。感動だったんですけど。今までのpollyって僕が思うにですけど、内向的な部分だったりとか、そういうところを美しく見せている思とうんですけど、それの究極形態みたいな感じかなと思って。

──うんうん。

日置:前作の「silence」もその逆の究極形態の内側にあるものみたいな感じだったんで、さらにダウナーというか陰の方にこう突き進んで行くのかな、と思っていたんですけど、「Light us」は最初すごく内向きな感じで始まって、そこからサビの入りでありえないぐらいMAXつく感じがするんですよね。その対比がとても美しい。静と動の距離感が秀逸だなと思って。あとは転調だったり展開の部分に関しても相当詰められてるんだなと。リミックスする時にもらったデータを見て、「あ、こんなに重なってるんだ」みたいな。そんなに重なってると思ってなくて。そういう部分でも、今までのpollyの曲の中でもダントツに好きかもしれないなって感じです。

──なるほど。では次に「うつくしいひと」について聞かせてください。

日置:「うつくしいひと」もスプリットに入れようって作った曲ではないんです。元々あった曲の中からスプリットでこういう曲を出したいよねっていうので、最終微調整したりして決めたんですけど。僕ら的には「うつくしいひと」みたいな曲は一番自然体で作れるタイプの曲なんです。普通に何も考えずに作るとああいうテンポ感だったり温度感とか、音のテクスチャーとかそういう部分が多くて。そういう曲をスプリットに選びたかった。背伸びして、何か新しいことをやろうっていうよりは、アレンジ面では新しいものを取り入れてるけど、全体的に見た時に自分たちがフィットして作れるもの、スプリットの趣旨としてもフィットした二組でやるんで、僕らも一番自然体であれる曲を出すのがいいかなと思って。曲としてはメロディーとかアレンジも一日で作って、特に何か手を加えるでもなくその場で思いついたものを、そのまま出しただけの曲。素材そのままみたいな感じです。

──越雲くんは「うつくしいひと」を聴いてどうですか?

越雲:とても好きだなって思って。「EASTOKLABの真骨頂ってこれだよな」みたいな感じ。

──なるほど。

越雲:日置も言ってたけど変に背伸びもしてないし、それがEASTOKLABにとっていい手法なんだろうと僕の中で思うんだけど。まずサウンド面で日置の好きな音楽のバックボーンが見えたりとかもするし、メロディーがやっぱりすごくいいなって。EASTOKLABの好きなところって、日本人のメロディーをちゃんと歌ってるところで。この曲が特にいいなと思ったのが、今までの作品は割とこう、日置の目線から半径10メートル以上のちょっと遠い距離を描いてるような印象があって、だけど「うつくしいひと」に関しては日置の部屋で起こってるような印象がある。何かそれがすごく美しく感じたところ。日置の手の届く範囲のリリック感があって、それがグッとくる印象かな。

日置:なるほどですね。なんか照れますね(笑)。

 

polly - Slow Goodbye (Official Music Video)

──リミックスですが、今まで誰かが作った曲をリミックスする事ってありましたか?

日置:僕はもう完全に初めて。

越雲:僕も初めてかな、ちゃんとこうリミックスするって。自分の曲をリミックスしたことはあるけど、誰かの曲っていうの初めてかな。


──実際にやってみてどうでした?

日置:僕は普段レコーディングとかをやっていて、エンジニアとしてミキシングはよくするんですけど、アレンジを作りかえるっていうのは全然別の話なんで、リミックスを相談されても全部断ってきたんです。出来ないなっていうのもあったし、うまくできる自信もなくて。でも今回は、リミックスを初めて挑戦するとしたら絶対ここだなって感じがあって、イメージもあったんですけど、実際どういう作業で進めていくか自分の中にそもそも青写真的なものが無くて。正直どうしようかずっと悩んでたんですよ。

──ああー。

日置:でもその時に、越雲くんから先にリミックスをもらったんですよね。僕はまだ何も提出してなくて、データだけもらってどうしよう……ってなってる時に、結構早めに越雲くんが「うつくしいひと」のリミックスを返してくれて。「こういうイメージにしてくれたんだ」みたいな。すごい嬉しいなと思って。自分の曲がこういう風に、なんか、pollyのコード進行になってたんですよ!

──ほぉー!

日置:越雲進行になってて、それがとても嬉しかったんですよ。

越雲:はははは!

日置:僕も自分の良さとか、使い慣れている機材を使って、越雲くんが、「おお、いいじゃん!」って喜んでくれるものが作れたらいいなと思って。そこからは結構早かったですね、こういう風にしようかなって見えたんで。リミックス初めてでしたけど、背伸びせず自分の曲を作る時と近い感覚で。最初はすごく変えないといけないかなと思ってたんですけど、そもそも音楽性自体もそんな離れてるわけじゃないし、自分らしくやってもpollyっぽさみたいなものも残るんで。なので普通に自分のナチュラルなやり方でやってみたって感じです。


──越雲くんは今回苦戦したり拘ったところはありますか?

越雲:苦戦したところは実はあまりなくて。ていうのもメロディーがいいから苦戦することはないかなと思っていたから。そこに対して僕だったらもうちょっと違うコード進行をつけてメロディーこうやって聴かせるかなみたいな。コード進行のクセってすごくあるから、僕だったらこうするかなっていうところを落とし込んでいった感じ。

──うんうん。

越雲:あとは、EASTOKLABってシーケンスとか同期とかは使わないから、逆に僕らはもう2019年から使い始めてるから、もうガンガン使おうっていうのと、「うつくしいひと」をもらった時に、日置から「Daughterってバンドのイメージで作ったんですよね」みたいな話を聞いたので、どこかしらちょっとDaughter要素を入れたいなっていうのがあって入れたりとか。あとは三度ハモり入れると気持ちいいな、みたいなのもあってトータルで入れたりとかして。コード進行も美しく作れたなとかはある。ちょっと違った視点で聞こえてくるみたいな。原曲は夜っぽいけどリミックスは朝というか、日の出前のような薄暗い感じにしたい印象があって、そういう感じで作って。楽しかったですね。自分の曲にしたいくらい。

日置:はははは!


──お互いのリミックスを聴いてもらう時はどんな心境でしたか?

越雲:緊張するよねなんか(笑)。

──メンバーに曲を持っていく時より緊張しました?

越雲:また別の緊張感かな、元々出来上がってる曲だし。原曲って自分が一番これがいいと思って外に提出したものだし、それを変えるっていう作業って、ひとつ間違えると失礼に値してしまう可能性があったのよ。だから、原曲の良さみたいなものは絶対残さなくちゃいけなかったから。これで「なんか違うわ」って思われたらやだなって(笑)。

──お互い「違うな」とは思わなかった?

越雲:全然思わなかった。こういうアプローチあるんだ、面白いなって。

日置:僕も何も思わなかったし、とても嬉しかったですね、単純に。でも送る時はちょっと緊張というか怖くて。バンドの曲だったら途中経過で一回投げたりとかできるんですけど、リミックスだったんで途中経過で投げるのはやめようと思って。全部作ってから、自分的にはもうこれ以上さわるところはないな、足したいもの引きたいものもないところまでやってからしか送れなかったですね。最終稿みたいなものをバンと送った感じ。


──リミックス作業はどのくらいの時間がかかりましたか?

越雲:音源を送ってもらった時点で「こういう風にしたいな」っていうビジョンはあったから割とスムーズだったかな。ただ、EASTOKLABのメンバー4人のフレーズをどこかに入れたいという使命感がまずあって、どこで入れるかってところはすごく悩んだけど、1個突破口が見えてからはサクッと出来たかな。

日置:僕は取りかかるまでが長かったんですよ。正直途中でリミックス出来ないかもしれないみたいな気持ちにもなって。なんであの時リミックスやろうって言っちゃったんだろう、ヤベぇできないこれみたいな(笑)。でも取りかかったら全然速くて、時間ある時にデモみたいな状態のものを作って、1日で全体の構図みたいなのを仕上げて、その後にギターの西尾と2人で3~4時間くらいかけて差し込んだり抜いたりと細かく作業していったって感じなんで。作業自体はそんなに時間かからなかったですね。


 

EASTOKLAB - Contrail (MV)

──アートワークは、岡くんが写真を撮って、越雲くんがデザインをしたんですよね。

越雲:それ多分ね、岡は納得いってないと思うんだよね(笑)。

日置:いやいやいや(笑)。

越雲:僕は他の写真の方がいいかなと思ってたのね。だけど日置がこれがいいですねって伝えてくれたから。それを少しいじったりしたんだけど、あれでよかったのかな、、(笑)。


──そんな、、(笑)。

越雲:写真を決めた時から、80年代後期から90年代前半ぐらいの、パキっとしていないアートワークにしたいと思って。デジタルくさいっていうよりかは、ちょっとベタっとしてるフォントの質感にしたかな。なんか、リミックスよりアートワークの方が難しかった。

日置:はははは!

越雲:納得はしてるけど、もうちょっと出来たことたくさんあるかなと思いつつ、今でも自問自答している(笑)。

日置:えー、そうなの?(笑)気に入ってますけどね。

越雲:あ、ホントに?(笑)良かったぁ。

日置:アートワークだけ誰かに依頼しようっていう案もあったんですけど、せっかくだったら、岡が普段写真を撮ったり、越雲くんもデザインとかアートワークもやってるし、全部内々で完結させても形としてしっくりくるし面白いかなって思って。ジャケットにした写真は、元々は1本の手なんですよね。それを2本に両側にデザインしたのは越雲くんなんですけど。元々持ってた写真から選んだんですけど、ボヤッとしたものよりも何かクッキリというか、固有名詞的なものがちゃんと写って見えるものがいいなと僕は思って、単純になんか「これ良くないっすか」みたいな感じで越雲くんに提案したら、すぐデザインが返ってきたって感じです。

越雲:確かにそこに対しては作りやすかったかな、固有名詞があるみたいな。スプリットタイトルも「Twin.」だし、こう同じものが並列してるとアートワーク的にいいなと思ってたから、そこに関してはやりやすかったかな。あの写真もすごい素敵だなと思うし。

日置:ふふふ。

越雲:いやホントにホントに!色合いがタイトルとかのカラーを作りやすくて。

日置:ほぉー。

越雲:自分でデザインする時も、その写真の中にあるキーカラーみたいなのを選ぶんだけど。そのキーカラーがバシッと見えたから、タイトルはパキッとした赤にするとカッコイイかなっていうのからバーッって作ってた感じかな。


──なるほど。

越雲:結果とても良かったと思いますよ。

日置:ふふふ。

越雲:いや、ホントホントホント!

日置:僕は本当にかなり気に入ってます。

越雲:自分の作品でもあるしね。共作だから余計、良いなと思います。

日置:岡も気に入っていると思います(笑)。

越雲:だといいけどね、そこが心配だった(笑)。「写真までいじるんじゃねーよ」って言われるかなとか(笑)。

日置:はははは!

 

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──今回ツアーで3公演を回りますが、何か特別な事は用意していますか?

越雲:コラボしようぜ!みたいな話しはしてるよね(笑)。まだ決まってないけど、何かやれたら良くない?って話はしてる。

日置:そうですね。何かやれたらいいなっていうのはすごくあって。僕らとpollyってどっちのツアーにも呼んだり、何回も一緒にやってて、そこまであっての集大成的な関係性のひとつがスプリットツアーなんで。逆に、僕らはそんな仲いいバンドが多いとかでもないですし、やるならとことん密にやった方が面白いかなと思って。


──うん。

日置:「一番仲いいバンドって誰?」って聞かれたらpollyって感じだし、音楽的に一番刺激を受けてるバンドってやっぱpollyだったりするんで。だったらもうガッツリ肩組んでやった方が面白いかなと。シーンとして今はまだそんなに開けてるシーンでもなかったりするんで、自分たちだけでは突破口を見つけられなくても、本当に共鳴できるバンドとは一緒にやっていくっていうのが絶対いいなっていう気持ちで。だから何かやりたいですね。

越雲:ちょっと話逸れるけど、さっき日置が言ったシーンの話なんだけど。今回スプリットをやろうよって話した経緯は、pollyもEASTOKLABもシューゲイザーとかドリームポップってカテゴライズをされやすいというか、そのジャンルが好きだから全然嫌ではないし嬉しいけど。ただ、シューゲイザーとかドリームポップって言われてるバンドの中で、自分の思うシューゲイザーとは違うバンドの方が圧倒的に多くて。純度も低ければ再現度も低いなみたいな。


──うん。

越雲:揺らぎとかLuby Sparksとかもシューゲイザーって言われてるけど、すごく再現度も高いしとても格好いいなと思うのね。

──うんうん。

越雲:イベントとかのお誘いメールを頂いた時に、シューゲイザーのバンドでまとめましたみたいなのを頂くんだけど、その羅列してるバンドを調べるのよ毎回。これはなんか違うな、みたいな時が多くて。僕の中では趣味ではない音楽と羅列されるのがやっぱり嫌だなっていう。日置ともそれを話した時に「それ嫌なんですよね」って言ってたから、じゃあちょうどいいねって。僕らで何か1つのシーンだったりムーブメントみたいなものを作れたらいいなと思って、そのきっかけが今回。誤解されたくないからもう1度言いますが、pollyがシューゲイザーと言って貰えるのは嬉しいです(笑)。

──なるほど。

越雲:そう。だからそれを含めた上で「かっこいい肩の組み方」が出来たらいいなって(笑)。

日置:そうですね!(笑)

越雲:例えばステージ上でコラボをするとして、それって一見ダサいようだけど、そこのダサさって内側だけの問題だと思ってて。僕らは2バンドで回るから僕らのお客さんが来てくれると思うのよ。2バンドが仲良くて一緒にシーン作っていこうぜ!っていうところを分かりやすく見てもらうだけでもいいかなって。面白いコラボをしたいよね(笑)。

日置:いろいろこうシューゲイザーとかこういう風にまとめられた時に、自分からの主観的に見たらただ好きじゃなくて、かっこよくないなって思ったりすることも、そっちの主観から見たら僕らの方が否定的なものだったりする可能性もあるわで。それぞれ何かを信じているものがあって、それで別に全然いいなと思ってて。


──うん。

日置:でも、やっぱ自分の信じてるものと近いところで「格好いい」って思えるバンドとやれればいいなと思ってて、僕らがそういうことできるのってpollyだったりするんで。自分たちが信じてるものを押し上げてくみたいな、日本の中での立ち位置だったりとか、一般化していくわけじゃないにしても格好いいと思ってやってるんで、それが格好いいって事をとにかく伝えたいじゃないですか。自分の主観的に思ってるものがどんどん大きくなっていったらその方がやっぱりいいですし。それがこのツアーをきっかけに始められたらいいなっていうので、一緒に何かやるっていうのも楽しみ。まだ何やるか全然決まってないけど(笑)。

──具体的に何をしようか考えてますか?

越雲:僕らの曲の中で日置に歌ってもらうとかもいいし(笑)。

日置:はははは!

越雲:8人で1曲演奏してもいいし、とか。そういうことかな。例えば僕がEASTOKLABの曲を歌うだけでも、良くも悪くも僕のカラーが出るわけじゃない。だからそこのコントラストみたいな。原曲の良かったところと僕が歌うことによって違った聴こえ方がするみたいなそういうコントラストも楽しめるだろうし。それで、「あ、EASTOKLABってこういうところが良かったんだな」みたいな、僕らも含め聴いてる人たちも再確認出来ると思うから、それは面白いかなと。


──では最後に、ツアーに来てくれるお客さまに向けて一言お願いします!

日置:pollyとのツーマンは、別に背伸びせず自分たちの思うかっこいい演奏をできればいいなって思ってて。例えば違うジャンルのバンドと対バンしたり、自分たちがちょっと浮いたりする場面とかだと、何かいろいろ思ったりするわけですよ。大きく変えるわけじゃないにしても、セットリストの組み方だったりとか多少変わってきたりする部分もあると思うんですけど、pollyとのツーマンは、本当に自分たちがやりたい曲をやるっていうのが普通にできる感じなんですよね。普通に演奏したら、ちゃんとお互いの共通項っていうのが浮かび上がるみたいな。自分たち的に一番かっこいい演奏をただ目指してやるだけなので、それが見に来てくれた人に普通に伝わるっていうのがいいなと思って。そういう面で楽しみにしてもらえたら。

越雲:うん。

日置:今までやってきた事の一番ブラッシュアップしたものがシンプルにできたらいいなと思って。このツアーは一回で終わらせるものとは捉えずに、ある意味始まりでもあるんで、例えばこれから「このバンド格好いいな」って思う知り合ったバンドをどんどん引き込んで、もっと濃密にいろんな関わりとか含んでやれたらって。そういう意味で今回、京都にオープニングアクトを入れたという経緯もあって。閉じた2バンドだけのものには全然したくなくって、どんどん続けていく中でそれを大っきいものにする始まりみたいな風にとらえてます。


──越雲くんからも一言。

越雲:日置が言った通りなのでもう言う事ないです(笑)。

日置:はははは!

越雲:その瞬間瞬間でいいと思うことをやるだけですよ。だから、内面的にオシャレをしないカジュアルな気持ちで出来るなと思うから、すごい楽しみにしてる。あとは日置も言ったように、他のバンドも巻き込んでいずれは大きい会場で、ムーブメントを作るスタート地点に立てるようなイベントにしたいなと思います。

日置:「内面的にオシャレをしないカジュアルな」ってすげぇ。

越雲:なにそれ(笑)。バカにしてるでしょ。

日置:いやいや(笑)。「なるほど、確かにそこに集約されているな!」と思って。

越雲:はははは!そうね、そういう感じかな。

リリース情報
 

polly & EASTOKLAB Split「Twin.」

 

会場限定販売カセットテープ/ダウンロードコード付属
Side A
1. Light us(polly)
2. うつくしいひと(EASTOKLAB)

Side B
1. Light us(EASTOKLAB Remix)
2. うつくしいひと(polly Remix)

ライブ情報

 

polly & EASTOKLAB Split「Twin.」Release Tour
 

2021/10/15(金) 京都GROWLY(Opening Guest:sunkissed)
2021/10/16(土) 名古屋stiffslack
2021/10/29(金) 東京 青山月見ル君想フ

〈京都公演〉open18:00 start18:30

〈名古屋/東京公演〉open18:30 start19:00

チケット:前売¥3,000(drink別)

〈京都/名古屋公演〉各会場/バンドメール予約

〈東京公演〉イープラス https://eplus.jp/polly_eastoklab/

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polly(ポーリー)
 

越雲(Vo,Gt,Pg)を中心に2012年宇都宮にて結成された4人組。海外の様々なジャンルを消化したサウンドと J-Popにも精通する耳馴染みの良いメロディを軸とし、リリース毎に変化を見せている。
2020年、自主レーベル “14HOUSE.” を設立、レーベル初となる2nd Album『Four For Fourteen』をリリース。2021年1月配信シングル「Laugher」、3月に「silence」をリリース。

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EASTOKLAB(イーストオーケーラボ)

名古屋を拠点に活動。エレクトロ、シューゲイズ、ドリームポップ、ミニマルミュージック、ベースミュージック、オルタネイティブ、ロックなど、さまざまなアレンジの手法を持ちジャンルを飛び越えたサウンドを鳴らす期待のニューカマー。メロディに寄り添う流麗なボーカルとファルセットの美しさで独時の世界観を提示。軽やかなリズム、浮遊感溢れるギターとシンセサイザーは壮大なサウンドスケープを描く。ライブでは多数の機材をコントロールしながらも、同期系機材やループシステムを一切排除した人力ならではアプローチを追求している。

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